2026.9.172026.9.17に投稿 隼山のテロワール この土地が、あの一杯をつくる。 ― 山梨市牧丘町、隼山のテロワール ― ワインを飲んだとき、その向こうにある風景を想像したことはありますか。 葡萄が育った場所。畑を吹き抜ける風。降り注ぐ太陽。そして、一年を通して葡萄と向き合う人。 フジクレールのワイン「隼山」の故郷は、山梨県山梨市牧丘町。 山々に囲まれたこの土地に、「隼山」と呼ばれる丘陵があります。 葡萄畑が広がるのは、標高約680〜700m。 眼下には牧丘の町並みが広がり、その向こうには幾重にも山々が連なります。 フジクレールにとって隼山は、単なる葡萄の産地ではありません。 長い時間をかけて栽培家とともに葡萄と向き合い、この土地ならではのワインを追い求めてきた、大切な場所です。 今回はワインになる前の物語。 「隼山」という土地をご紹介いたします。 標高約700m。山の上で育つ葡萄 隼山の大きな特徴のひとつが、その標高です。 葡萄畑は標高約680〜700mの高所に広がり、山々に囲まれた環境の中で葡萄が育ちます。 標高が高く、昼夜の寒暖差が生まれるこの場所で、葡萄は季節の変化を受けながら成熟していきます。 私たちが大切にしているのは、ただ糖度を高めることではありません。 果実がしっかりと熟しながら、ワインになったときに味わいを支える美しい酸を残すこと。 甘さ、香り、酸。 そのバランスを見ながら、葡萄がもっとも良い表情を見せる瞬間を待ちます。 ワインの味わいは、醸造場に葡萄が届いてから初めて生まれるものではありません。 その年の太陽も、雨も、気温も。すべては、この畑から始まっています。 隼山とともに、葡萄を育てる人 そして、隼山を語るうえで欠かせない存在が、栽培家の久保田氏です。 長年この地で葡萄と向き合い、隼山の畑を知り尽くしてきた久保田氏。フジクレールの栽培顧問としても、私たちのワインづくりを葡萄栽培の面から支えています。 そんな久保田氏に、葡萄づくりの面白さについて尋ねたとき、返ってきたのは意外な言葉でした。 「面白いと感じることは、ないですね。」 一見そっけなくも聞こえるその言葉の裏には、収穫を迎えるまで結果の分からない葡萄づくりの難しさと、シーズンを通して続く緊張感があります。 天候は毎年異なり、葡萄も決して同じようには育ちません。ひとつの判断の遅れや間違いが、病気につながることもある。畑では葡萄のわずかな変化を見ながら、その時々で判断を重ねていきます。 冬の剪定から、春の芽吹き、夏の栽培管理、そして秋の収穫まで。 一年を通して葡萄と向き合い続ける中で、久保田氏が変わらず大切にしていることがあります。 「健全で、人に喜ばれる葡萄をつくりたい。」 特別なことを語るのではなく、目の前の葡萄を健全に育てるために、必要な仕事を積み重ねていく。 その実直な姿勢と、この土地で培われてきた経験が、隼山の葡萄を支えています。 土地の個性だけでは、ワインは生まれない。その土地を知り、葡萄と向き合う人がいてこそ、テロワールは一本のワインへとつながっていきます。 同じ山から、二つの個性。 隼山からフジクレールに届く葡萄からは、二つの個性の異なるワインが生まれています。 ひとつは、日本を代表する白ワイン用品種、甲州。 もうひとつは、日本生まれの黒葡萄、マスカット・ベーリーA。 同じ隼山で育っていても、品種が違えば、その表情も異なります。 甲州から生まれる「隼山甲州 樽発酵」は、甲州の繊細な果実味や酸を大切にしながら、樽での発酵・熟成によって奥行きを与えた白ワイン。 そして「隼山マスカット・ベーリーA」は、赤い果実を思わせる華やかさと、しなやかな酸、やわらかなタンニンを持つ赤ワインです。 白と赤。 品種も、醸造方法も、味わいも異なる二本。 それでも私たちが目指しているものには、共通する考えがあります。 それは、 「隼山で育った葡萄を、どうワインの中に残すか。」 ということです。 土地を、ワインの中へ。 自然酵母由来によるアルコール発酵、無補糖・無補酸。フジクレールでは人為的な操作に頼らず、ぶどう本来の個性を引き出す引き出す醸造を行っています。 必要以上に味わいをつくり込まない。 それが、現在フジクレールが大切にしている考え方です。 たとえば「隼山マスカット・ベーリーA 2023」では、自然酵母による発酵を行い、補糖・補酸をせず、中古樽で11ヶ月熟成させています。 強い樽香をつけるためではなく、葡萄そのものの果実味や酸を大切にしながら、ゆっくりとワインを整えていくためです。 甲州にも、マスカット・ベーリーAにも、それぞれの個性があります。 そして、その葡萄の奥には「隼山」という共通の土地があります。 私たちがワインを通して表現したいのは、品種の特徴だけではありません。 その葡萄が、どこで、誰によって育てられたのか。 そこまで含めて一本のワインとして届けたいと考えています。 一杯の向こうに、隼山がある。 ワインが出来上がれば、畑の姿は見えなくなります。 グラスの中にあるのは、白や赤の液体だけ。 けれど、その一杯が生まれるまでには、標高約700mの山があり、季節ごとに姿を変える葡萄畑があり、一年を通して葡萄に向き合う人がいます。 風も、土も、標高も、人も。 そのすべてが重なり合って、一粒の葡萄になり、やがて一本のワインになっていきます。 次に「隼山」のワインをグラスに注ぐとき。 ほんの少しだけ、この山の風景を思い浮かべてみてください。 甲州とマスカット・ベーリーA。 それぞれのグラスの中に、同じ隼山がどのように現れているのか。 二つのワインを飲み比べてみるのも、この土地を知るひとつの楽しみ方です。 —ひとつの山、ふたつのワイン。— フジクレール 隼山甲州2023樽発酵 凝縮感のある果実味に加え、スモーキーなニュアンスと桃のような優しい甘みが調和し、厚みのある味わいが広がります。当社最高峰の甲州ワインとして、芳醇な香りと深い余韻をお楽しみいただけます。 ご購入はこちら フジクレール 隼山マスカット・ベーリーA2023 赤いベリーを思わせる甘やかな香りに、しなやかな酸とやわらかなタンニン。果実味を活かしながらも上品な余韻を備えた、品格ある味わいの1本です。 ご購入はこちら こちらの記事もおすすめ 特集 「百千(ももち)」、販売開始。 5月12日は母の日 フェミナリーズ世界ワインコンクール2026 金賞「W」受賞! Decanter World Wine Awards 2026 受賞速報! 安全とさらなる発展を願って『仕込み式』 6月16日(日)は父の日 なぜ、あえて早く摘む? 第12回サクラアワード2025受賞速報! フランスのワイン国際コンクール「フェミナリーズ」にて金賞をダブル受賞!フジクレール 「マスカット・ベーリーA隼山2020」「ヴィ・ルフレ2019」 投稿ナビゲーション前の投稿: なぜ、あえて早く摘む?